ベランダからそばの河原を見下ろすと、川面を撫でる風と秋草を照らす光が気持ちよく、傍で虫取り網をポンポンと動かして虫取りをしている人が小さく見えて、時間が止まった世界のように思えた。しばらくするとその人も顔を上げてこちらに気がついたので、世界を壊したように思い、私はそっと姿を消した。
ベランダからそばの河原を見下ろすと、川面を撫でる風と秋草を照らす光が気持ちよく、傍で虫取り網をポンポンと動かして虫取りをしている人が小さく見えて、時間が止まった世界のように思えた。しばらくするとその人も顔を上げてこちらに気がついたので、世界を壊したように思い、私はそっと姿を消した。